【2024最新】小規模事業者持続化補助金とは?福祉事業への活用方法!事例紹介もあります!

syoukibo-eye コラム

福祉事業を運営するにあたり、小規模事業者持続化補助金を受給したいという方も多いと思います。そこで、本記事では、小規模事業者持続化補助金の概要や申請方法、福祉事業に使えるのかといったポイントをお伝えします。

  1. 小規模事業者持続化補助金とは
  2. 第15回小規模事業者持続化補助金の概要
  3. 小規模事業者持続化補助金は福祉事業で活用できる?
  4. 小規模事業者持続化補助金の申請方法
    1. 補助対象者かどうかを確認する
    2. 1.販路開拓または業務効率化の取り組みであること
    3. 2.商工会議所の支援を受けながら取り組む事業か
    4. 3.対象外の事業に該当していないか
      1. 1.小規模事業者にあてはまるか
      2. 2.株式を大企業に保有されていないか
      3. 3.課税所得がオーバーしていないか
      4. 4.商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいるか
      5. 5.これまでの補助金について必要な書類を提出しているか
      6. 6.過去の小規模事業者持続化補助金と重複していないか
  5. 小規模事業者持続化補助金の補助金額、補助率とは
  6. 小規模事業者持続化補助金の申請要件を枠ごとに解説
  7. 小規模事業者持続化補助金に申請できる経費とは
    1. 補助対象外となる経費とは
  8. 申請の流れ
    1. 1.必要書類を準備
    2. 2.書類の提出
    3. 3.審査
    4. 4.補助事業実施・報告書提出
    5. 5.払い込み
    6. 6.事業効果報告
  9. 審査を通すポイントや加点について徹底解説
    1. 絶対に抑えておきたい審査のためのポイント3点
      1. 1.書類を様式に沿って作成する
      2. 2.販路開拓、または合わせて行う業務効率化である点をアピールする
      3. 3.自社の経験やノウハウをアピールする
    2. 小規模事業者持続化補助金の加点項目を解説!
      1. 重点政策加点
      2. 政策加点
  10. 小規模事業者持続化補助金に最適な事業とは?
    1. 保険外の事業で活用
  11. 採択された福祉事業の事例5選
  12. まとめ

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が経営の見直しを測り、持続的な経営に向けて経営計画を作成した業者に対し、販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する制度です。

小規模事業者持続化補助金は国が小規模事業者の振興の支援を目的としている補助事業となるため、しっかりとした事業計画があり、また産業を活性化するための事業に対して交付されるという性質があります。

国では、小規模企業を振興していくという政策目標があり、その目的にあった事業を、事業者のみなさまに、しっかりと取り組んでもらうことが重要になります。「補助金」とは、そのような意義があると国が判断した事業をサポートするために支給されるお金のことです。

補助事業の手引きー小規模事業者持続化補助金公式ページ

第15回小規模事業者持続化補助金の概要

小規模事業者持続化補助金は2020年から採択が始まった比較的新しい補助金で、これまで概ね4か月ごとに1度募集がされています。

最新となる第15回では、[通常枠]50万円、[賃金引上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠]200万円の支給額となっており、2024年1月より応募が始まり、締め切りは2024年3月14日となっています。

小規模事業者持続化補助金は福祉事業で活用できる?

小規模事業者持続化補助金は、福祉事業で活用できるのでしょうか。もし小規模事業者持続可補助金を福祉事業に活用したい場合は、本業に直接関わる部分ではなく、ホームページ作成やチラシ作成、設備投資など、間接的な部分で活用することができます。

小規模事業者の販路開拓等を促進するための補助金です。そのため、福祉事業に対して直接的に補助金を活用することはできません。また、後述しますが、社会福祉法人や医療法人等は支給対象とならない点に注意しましょう。

ただし、全ての福祉事業で活用できないというわけではありません。(採択される方法、実際の採択事例は後述しております)

小規模事業者持続化補助金を活用する際の注意点

  • 保険給付に関わる部分には使えない(福祉事業所開業、運営に直接関わる費用)
  • 社会福祉法人、医療法人等は対象にならない

小規模事業者持続化補助金の申請方法

では、実際の小規模事業者持続化補助金の申請方法についてご案内します。

補助対象者かどうかを確認する

申請前の確認事項
・補助対象事業者か
・補助対象事業化どうか

まず初めに、自分の事業が補助対象事業者かどうかを確認しましょう。申請を出来るのは、1~6の条件を満たす、日本国内に所在する小規模事業者(日本国内に居住する個人、又は日本国内に本店を有する法人)等であり、補助対象事業の要件に当てはまる必要があります。

小規模事業者持続化補助金を受けるためには、補助対象事業に該当した事業を行っている必要があります。次の1~3全ての要件を満たす必要があります。

1.販路開拓または業務効率化の取り組みであること

小規模事業者持続化補助金は産業の振興を目的としています。そのため、単なる既存事業の運転資金としての利用は出来ず、策定した経営計画に基づいた販路開拓、またはそれに合わせて行われる業務効率化の取り組みである必要があります。

2.商工会議所の支援を受けながら取り組む事業か

小規模事業者持続化補助金については、商工会議所による※事業支援計画書の発行、および補助事業実施における助言等の支援を受けながら事業を実施する必要があります。

※事業支援計画書については様式集を参照してください

3.対象外の事業に該当していないか

介護保険や公的保険、その他国から助成を受けている事業は対象外となります。具体的には、国が助成(国以外の機関が、国から受けた補助金等により実施する場合を含む)する他の制度(補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と同一又は類似内容の事業が対象外です。

その他、事業の継続が見込めないものや、公序良俗に反する事業も対象外です。

なお対象外の事業であっても、事業に当たらない部分については、助成を受けることが出来る場合がありますので、福祉事業等を行っている場合も、一度商工会議所や専門家の方に相談してみるといいでしょう。

1.小規模事業者にあてはまるか

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)常時使用する従業員の数5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員の数20人以下
製造業その他常時使用する従業員の数20人以下
※ 常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。詳細は補助金事務局ホームページの「よくある質問」を確認ください。業種については、こちらの参考資料を参照してください。

また、法人の形態によっては、補助対象となりません。一般社団法人、社会福祉法人等については補助対象の法人とならないので注意しましょう。

補助対象となりうる者補助対象にならない者
○会社および会社に準ずる営利法人
(株式会社、合名会社、合資会社、合同会
社、特例有限会社、企業組合・協業組合、士
業法人(弁護士・税理士等))
○個人事業主(商工業者であること)
○一定の要件を満たした特定非営利活動法人
○医師、歯科医師、助産師
○系統出荷による収入のみである個人農業者(個人
の林業・水産業者についても同様)
○協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
○一般社団法人、公益社団法人
○医療法人
○宗教法人
○学校法人
○農事組合法人
○社会福祉法人
○申請時点で開業していない創業予定者(例えば、
既に税務署に開業届を提出していても、開業届上
の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)(※
2)
○任意団体 等

2.株式を大企業に保有されていないか

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の支援を目的といているため、大企業の子会社、グループ会社等は対象となりません。資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないかを確認しましょう。

3.課税所得がオーバーしていないか

売り上げや利益を大きく上げている法人も、小規模事業者ではないとみなされ、対象外となります。具体的には、確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が 15億円を超えていないことを基準として判断されます。

4.商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいるか

小規模事業者持続化補助金の主体は、商工会議所となります。そのため、商工会議所の管轄地域内※で事業を営んでいることが必要です。

※商工会議所と似た組織として商工会がありますが、それぞれ管轄地域がことなります。気になる場合は最寄りの商工会議所に問い合わせしてみましょう。

5.これまでの補助金について必要な書類を提出しているか

小規模事業者持続化補助金は、複数回の申請が可能です。ただし、過去の実績報告などがなされていない場合は、対象外となります。15回においては、原則として14回にて「一般型」「コロナ特別対応型」「低感染リスク型ビジネス枠」について採択を受けている場合、「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を受領されている必要があります。

6.過去の小規模事業者持続化補助金と重複していないか

小規模事業者持続化補助金は、より多くの事業者への利用を促すため、過去の利用によっては制限が設けられています。具体的には、小規模事業者持続化補助金<一般型>において、「卒業枠」で採択を受けて、補助事業を実施した事業者ではないことが必要です。

小規模事業者持続化補助金の補助金額、補助率とは

第15回小規模事業者持続化補助金は、「通常枠」「賃金引き上げ枠」「卒業枠」「後継者支援枠」「創業枠」の5つの申請枠が用意されており、それぞれに補助上限金額と補助率が異なっています。また、いずれか一つの枠にのみ申請可能となっています。

類型通常枠賃金引き上げ枠卒業枠後継者支援枠創業枠
補助率2/32/3
(※赤字事業者は3/4)
2/32/32/3
補助上限(万円)50200200200200
※インボイス特例の要件を満たしている場合は、上記補助上限額に 50 万円を上乗せ
※通常枠以外は追加で申請要件あり

小規模事業者持続化補助金の申請要件を枠ごとに解説

小規模事業者の通常枠以外の「特別枠」は通常枠よりも補助上限や補助率が優遇されています。ここでは、各枠の条件について簡単に解説致します。もし要件に該当する場合には、特別枠での申し込みを検討しましょう。また、インボイス特例に適用される場合は、すべての枠において、補助上限金額が50万円上乗せとなります。こちらも合わせて確認しておきましょう。

詳細な条件については必ず公式サイトを確認してください。

概要  補助事業実施期間に事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+50 円以上
とした事業者に対して支援
要件  補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が申請時の地域別最低賃金
より+50 円以上であること。

すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+50
円以上を達成している場合は、現在支給している事業場内最低賃金より+50
円以上とする必要があります。
手続き申請入力画面の「希望する枠」にて賃金引上げ枠(上限 200 万円)を選択

小規模事業者持続化補助金に申請できる経費とは

小規模事業者持続化補助金ではあらかじめ申請できる経費が決まっています。産業を振興するという目的のため、既存の事業の運転ための経費は認められず、あくまで新規事業や事業拡大など、事業を発展させる取り組みについての経費である必要があります。

また、補助金の額については、補助対象経費の合計額に補助率を乗じて得た額の合計額となります。  

小規模事業者持続化補助金の対象経費
機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談
会等を含む)、旅費、新商品開発費、資料購入費、借料、設備処分費、委託・外注費

各経費について、簡単にポイントをまとめましたので、参照してみて下さい。

機械装置費は、補助事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費です。通常使っている機械装置の取り換え、更新等は補助の対象外となりますのでご注意ください。

対象となる経費例対象外となる経費例
・新たなサービス提供のために導入する機器
・衛星向上、省スペース化のためのショーケース等
・PC、タブレット、複合機、一般事務用ソフトウェアなど、汎用性が高く目的外にも利用できるもの
・既存の機械、ソフトウェア等の更新費用

広報費は、パンフレット・ポスター・チラシ等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費となります。対象となるのは、あくまで補助事業計画に基づく広報が目的のものであり、通常の事業の広報のための費用は対象外となります。

対象となる経費例対象外となる経費例
・チラシ、ポスター等販促物の作成
・DMの送付
・試供品の作成
・既存のサービスを広報するための費用
・金券、商品券
・付随するシステムの開発費用

ウェブサイト関連費は、販路開拓等を行うためのウェブサイトや EC サイト、システム(オフライン含む)等の開発、構築、更新、改修、運用をするために要する経費です。補助事業計画に関連するウェブサイトである必要があり、ウェブサイト関連費のみでの請求はできない、補助金交付申請額の4分の1が経費の申請額の上限となる点に注意しましょう。(例 通常枠では、12.5万円が上限)

対象となる経費例対象外となる経費例
・商品販売のためのウェブサイト作成や更新
・ インターネットを介したDMの発送
・ インターネット広告
・ バナー広告の実施
・内容が明確なウェブサイトのSEO対策
・商品・サービスの宣伝広告を目的としない広告
・ウェブサイトに関するコンサルティング費用

展示会等出展費は、新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費です。事業計画に基づき、販路開拓のために展示会等に参加する際の費用に利用できます。単なる商品の販売のための出展等は経費にできない点に注意しましょう。

対象となる経費例対象外となる経費例
・商品販売のための販路開拓につながる展示会出展・展示会のために購入する消耗品費等
・単なる販売のみを目的とした出展
・選考会、審査会等への参加・申し込み費用

旅費は、補助事業計画(様式2)に基づく販路開拓(展示会等の会場との往復を含む。)等を行うための費用となります。補助事業計画に基づく販路開拓を行うための出張である旨を記載した出張報告の作成等により、必要性が確認できるものが補助対象となります。単なる販売のための交通費等は対象にならない点に注意しましょう。

対象となる経費例対象外となる経費例
・展示会への出展や、新商品生産のために必
要な原材料調達の調査等に係る、宿泊施設
への宿泊代
・バス運賃・電車賃・新幹線料金(指定席購
入含む)・航空券代(燃油サーチャージ含
む。エコノミークラス分の料金までが補助対
象)、航空保険料、出入国税
・ 視察、セミナー等参加のための旅費
・ガソリン代、駐車場代、タクシー代、レンタカー代、高速道路通行料、グリーン車、ビジネ
スクラス等の付加料金分

新商品開発費は、新商品の試作品や包装パッケージの試作開発にともなう原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工するために支払われる経費となります。あくまで新商品の施策、開発のための費用が対象となり、商品販売のための原材料費等は対象となりません。

対象となる経費例対象外となる経費例
・新製品、商品の試作開発用の原材料の購

・新たな包装パッケージに係るデザイン費用
・開発・試作した商品をそのまま販売する場合
の開発費用
・試作開発用目的の購入で使い切らなかった
材料分

借料は、補助事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料として支払われる経費が対象となります。機器等は補助事業の遂行のためのものである必要があり、既存事業の用途として使われるものは対象外です。

対象となる経費例対象外となる経費例
・補助事業遂行に必要不可欠な機器、設備等のリース料、レンタル料・ 通常の生産活動のために使用するもの

設備処分費は、販路開拓の取組を行うための作業スペースを拡大する等の目的で、当該事業者自身が所有する死蔵の設備機器等を廃棄・処分する、または借りていた設備機器等を返却する際に修理・原状回復するのに必要な経費です。既存事業のための処分等は対象となりません。

申請時における「設備処分費」の補助対象経費への計上額は、補助対象経費総額の1/2を上限(設備処分費以外の補助対象経費合計額を超えない)とします。

対象となる経費例対象外となる経費例
・既存事業において使用していた設備機器等
の解体、処分費用
・既存事業において借りていた設備機器等の
返却時の修理、原状回復費用(賃貸借契約
が締結されており、使用者であることが法的
に確認できることが必要です)
・既存事業における商品在庫の廃棄、処分費

・消耗品の処分費用
・自己所有物の修繕費
・原状回復の必要がない賃貸借の設備機器等

委託、外注費は、上記①から⑨に該当しない経費であって、補助事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)・外注するために支払われる経費(自ら実行することが困難な業務に限ります。)となります。ウェブサイト、システム開発等に係る委託・外注費については、ウェブサイト関連費にて計上してください。

あくまでも自社では実行不可能な業務が対象となります。

対象となる経費例対象外となる経費例
・利用客向けトイレの改装工事
・製造・生産強化のためのガス・水道・排気工

・移動販売等を目的とした車の内装・改造工事
・ 補助事業で取り組む販路開拓や業務効率
化に結びつかない工事

補助対象外となる経費とは

経費項目の中に含まれていても、一部条件に当てはまる経費は対象外となります。

例えば、国から他の制度を利用して既に支援を受けていたり、補助事業とは関係の既存の事業のための費用などは計上できません。申請前に下記に該当しないかを確認しておきましょう。

  • 国が助成するほかの制度を利用している事業と重複する経費
  • 通常の事業活動に係る経費
  • 販売や有償レンタルを目的とした製品、商品等の生産・調達に係る経費
  • 他社のために実施する経費
  • 自動車等車両

申請の流れ

小規模事業者補助について、申請から補助金交付までの流れについて説明します。補助金の払い込みまでには、採択が決定してから早くても半年程度はみておきましょう。また、事業実施後も実績報告書等の提出が必要になってきます。いずれの作業も、締め切りより余裕をもって取り組むようにしましょう。

第15回小規模業者持続化補助金について、簡単な申請の流れ(電子申請の場合)をお伝えします。申請方法には、電子申請と郵送の二つの方法がありますが、郵送ですと審査の際に減点となります。申請は電子申請をで行うことをお勧めします。

申請開始日未定(受付開始時は HP にてお知らせ)
申請締切日2024年3月14日(木)17:00[郵送:締切日当日消印有効]
(事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 原則 2024年3月7日(木))
事業実施期間交付決定日から年10月31日(木)まで
実績報告書提出期限2024年11月10(日)

➀書類提出(事業支援計画書発行3月7日、2024年3月14日(木)17:00締め切り)

➁採択・交付決定(2024年6月予定)

➂補助事業実施・申請経費の払い込み(交付決定日~2024年10月31日)

➃実績報告書の提出(2024年11月10日締め切り)

➄補助金確定通知書が送付される

⑥精算払請求を送付

⑦補助金の払い込み(清算払い請求から数週間)

⑧事業効果報告(補助事業完了から1年後)

1.必要書類を準備

申請を始める前に、まずは必要書類を準備します。必要書類は、法人の種類や申し込み枠によっても異なります。ここでは、一般枠を中心に必要な書類をご紹介します。

各書類は、小規模事業者持続化補助金の公式ホームページに様式があるので、そちらをダウンロードし、記載しましょう。

記載が終わったら、商工会議所に事業支援計画書の発行依頼を行い、交付を受けて下さい。
応募提出書類・様式集

申請に必要な書類(一般枠、法人の場合)

  • 小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書(様式1)
  • 経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)
  • 補助事業計画書②(様式3)
  • 補助金交付申請書(様式5)
  • 宣誓・同意書(様式6)
  • 事業支援計画(様式4)・・・地域の商工会議所で発行
  • 貸借対照表および損益計算書(直近1期分)
  • 株主名簿

2.書類の提出

書類を準備したら、申請システムより申請を行います。申請には、GビズIDプライムもしくはGビズIDメンバーのアカウントの取得が必要です。取得していない場合は、まずGビズIDを取得しましょう。
暫定Gビズ IDプライムアカウントは使用不可となります)

GビズIDの取得はこちら:公式サイト

3.審査

書類申請が終わったら、審査に入ります。審査は、条件に該当しているか、また書類の不備等はないかといった観点で行われます。また、後述しますが、様々な加点ポイントがありますので、そちらも加味した上で審査が行われます。

採択の発表は、毎回受付締切日から2~3か月程度となっています。第15回補助金については、2024年6月頃になる予定です。審査が完了すると、採択または不採択の通知が届きます。

4.補助事業実施・報告書提出

採択されたら、補助事業を実施し、実績報告書を提出します。交付決定日(交付決定通知書の日付)から補助事業実施期限までに発注、支払いを完了したもののみが補助対象となりますので、忘れずに行いましょう。第15回の場合は、事業実施は10月31日まで、また11月10日までに実績報告書を提出します。

※上記実施期間の途中で、補助事業が終了(補助対象経費の支払いまで含みます)したときは、その日から起算して30日を経過した日、または上記「補助事業実績報告書提出期限」(補助金事務局必着)のいずれか早い日までに実施事業内容および経費内容を取りまとめ、提出しなければなりません。

5.払い込み

補助事業実績報告書を提出し受理されると、補助金確定通知書が送付されてくるので、それに合わせて清算払い請求を送付します。送付後、確認が完了すると、払い込みとなります。払い込みは、請求から数週間程度の時間がかかります。

6.事業効果報告

補助事業の実施が完了したら、事業の効果についての報告を行います。報告については、概ね事業実施完了から1年をめどに行う必要があります。

審査を通すポイントや加点について徹底解説

小規模事業者持続化補助金は、使える経費の幅も多彩であり、ぜひとも採択を獲得したいところですよね。そこで今回は、審査を通過するためのポイントや、審査の際に加点される項目をまとめました。これらのポイントを抑えることで、採択されるポイントが大きく高まりますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

絶対に抑えておきたい審査のためのポイント3点

ここでは、審査にあたり絶対に抑えておくべきポイントを紹介します。

1.書類を様式に沿って作成する

補助金申請にあたり、出すべき書類は多くありますが、各書類には様式が用意されています。書類はこれらの様式にそって作成するようにしましょう。各枠によって必要書類が異なるので、必ず公募要領を確認の上、必要な書類を揃えて提出します。必要な書類がない場合は、失格となるので注意しましょう。

第 15 回公募応募時提出資料・様式集

2.販路開拓、または合わせて行う業務効率化である点をアピールする

  • 販路開拓等のための取組であること
  • 販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組み

小規模事業者持続化補助金は、既存事業の補填ではなく、あくまでも新規事業などを後押しするためのものです。そのため、事業拡大のための新たな試みだったり、そのための業務効率化を意識したものでなければいけません。

福祉事業者の場合は、普段の営業のための利用では採択される見込みはありません。社会に対して価値を提供する独自の取り組みであることをアピールするといった工夫が必要です。

例えば、障害者福祉であれば、esportsだったり、遠隔支援、ロボットやITを用いた新たな支援といった新しい取り組みをアピールするようにするといいでしょう。

3.自社の経験やノウハウをアピールする

  • 補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
  • 小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること
  • 補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか

第15回小規模事業者持続化補助金公募要領より抜粋

小規模事業者持続化補助金では、事業計画の内容はもちろんですが、それをを遂行できるのかという点も重視されます。せっかく補助金を支給したのに、それを有効活用出来なかったとなると、補助金を支給した意味がなくなってしまいます。

そのため、補助事業の計画について、これまでの自社の経験やノウハウをアピールし、遂行可能であること、またそれにあたり補助金を有効利用可能である点を計画にしっかりと盛り込みましょう。

例えば就労A型、B型等で物品の販売をやっていて新商品を開発する場合は、既存の製品で販路を開拓した経験がある点や、販売網をもっている点など、新たな商品を開発し売り上げをあげていけるノウハウがある点をアピールすることが重要です。

小規模事業者持続化補助金の加点項目を解説!

小規模事業者持続化補助金では、【重点政策加点】、【政策加点】からそれぞれ1種類、計2種類の加点項目を選んで加点の審査を行ってもらうことができます。加点は条件を満たしていれば自動で加点されるわけではなく、所定の手続きが必要です。ここではそれぞれの加点や必要な手続きの概要について説明致します。

重点政策加点

重点政策加点には、赤字賃上加点や、事業環境変化加点などがあります。福祉事業者の場合は、くるみん・えるぼし加点が取得しやすいため、お勧めです。

加点項目内容手続き
赤字賃上げ加点賃金引上げ枠に申請する事業者のうち、赤字である事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点
賃金引上げ枠を希望した場合に、自動的に適用
事業環境変化加点ウクライナ情勢や原油価格、LP ガス価格等の高騰による影響を受けている事業者に対して、採
択審査時に政策的観点から加点を行います。
・「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「事業環境変化加点」欄にチェック。
・「経営計画書」(様式2)に物価高騰等の影響を受けている内容を記載。
東日本大震災加点東京電力福島第一原子力発電所の影響を受け、引き続き厳しい事業環境下にある事業者に対し
て、政策的観点から加点を行います。
・「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「東日本大震災加点」欄にチェック。
・食品衛生法に基づく営業許可証もしくは届出書(受領印押印済み)の写しを申請書に添付し
て提出。
くるみん・えるぼし加点次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく「くるみん認定」を受けている事業者、もしくは女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく「えるぼし認定」を受けている事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点(を行いま
す。
・「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「くるみん・えるぼし加点」欄にチェック。
・基準適合一般事業主認定通知書の写しを申請書に添付して提出

政策加点

政策加点については、経営力向上計画加点や、一般事業主行動計画策定加点が福祉事業にとって取得しやすい加点となります。

加点項目内容手続き
賃上げ加点最低賃金の引き上げが行われる中、それに加えて更なる賃上げを行い、従業員に成長の果実を分配する意欲的な事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点を行います。「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「賃上げ加点」欄にチェック。
※賃金引上げ枠を希望した場合に、自動的に適用
パワーアップ型加点地域資源を活用した「地域資源型」、地域課題の解決等を目指す「地域コミュニティ型」いずれかの類型に即した事業計画を策定する「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「地域資源型」もしくは「地域コミュニティ型」欄にチェック。
経営力向上計画加点各受付締切回の基準日までに、中小企業等経営強化法に基づ
く「経営力向上計画」の認定を受けている事業者に対して、加点を行います。
・「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「経営力向上計画加点」欄にチェック。
・「認定書」の写しを申請書に添付して提出
事業承継加点各受付締切回の基準日時点の代表者の年齢が満60歳以上の
事業者で、かつ、後継者候補が補助事業を中心になって行う場合、加点を行います。
・「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「事業承継加点」欄にチェック

・「4-2.事業承継の計画」欄について、記載のいずれか一つをチェック。

他、「事業承継診断票」等を提出等
過疎地域加点「過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法」に定める過疎地域に所在し、地域経
済の持続的発展につながる取組を行う事業者に対して、加点を行います。
「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「過疎地域加点」欄にチェック。
一般事業主行動計画策定加点一般事業主行動計画を公表している事業者、もしくは従業員100 人以下の事業者で「両立支援のひろば」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している事業者に対して、採択審査時に政策的観点から加点を行います。「経営計画書」「経営計画書」(様式2)の「加点の付与を希望する」「一般事業主行動計画策定加点」欄にチェック。
※④くるみん・えるぼし加点の重複加点はありません。

小規模事業者持続化補助金に最適な事業とは?

小規模事業者持続化補助金は、新規事業開発や広告費、ホームページ制作から備品購入まで幅広く活用できますが、障害福祉サービスや介護サービスの通常の営業のために利用することはできません。

以下に該当する事業ではないこと
同一内容の事業について、国が助成(国以外の機関が、国から受けた補助金等により実施する場合を含む)する他の制度(補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と同一又は類似内容の事業

小規模事業者持続化補助金第15回公募要項

これまでの採択事例でも、直接介護保険や健康保険からの給付を受ける介護や福祉事業部分での採択事例はみられません。また、一般社団法人、公益社団法人、医療法人、社会福祉法人はそもそも対象となりません。

保険外の事業で活用

もし、小規模事業者持続化補助金を活用したい場合は、保険外の事業で申請をするようにするといいでしょう。例えば、保険の給付を受けておらず、株式会社等の形式で行っているソーシャルビジネスだったり、就労継続A型、B型で店舗等を運営している、障害者雇用で事業を運営している、保険給付をうけずに行っているイベントやサービスなどがあてはまります。

採択された福祉事業の事例5選

では、ここでは実際にこれまでの小規模事業者持続化補助金で採択された福祉事業の事例を紹介いたします。

会社名事業概要
ブリッジエー株式会社日本国内で外国人福祉人材を養成し、福祉施設などに紹介するための事業
株式会社HOAP医療・介護・福祉業界特化①採用支援サービス②採用広報支援サービス③
組織構築支援サービス
行政書士つばき事務所福祉系行政書士業務におけるネットワークの構築と認知の拡充
nail salon core医療従事者や介護・福祉施設職員向け「ネイルケア」「フットネイル」の提案
有限会社ケイジェイエム介護タクシー事業の周知とサービス提供介護等級の拡大事業

まとめ

本日は、小規模事業者持続化補助金について解説しました。小規模事業者持続化補助金を福祉事業で活用するには、保険給付を受けている事業以外で考えていく必要があります。そのため、補助金申請の判断をする段階からしっかりと検討する必要があります。

逆に、保険外の福祉事業を営んでいる人にとっては非常に申請しやすい制度だと思いますので、ぜひ検討してみてください。

監修者

トキタ行政書士事務所代表 鴇田 光晴。成蹊大学卒業。重度重複の障害者入所施設、児童発達支援や放課後等デイサービスでの勤務を経て行政書士として開業。加算や開業支援等、現場での経験を活かした実践的なサポートを提供しています。

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